2016年6月23日木曜日

アイアンマン ケアンズ2016 ~FUJIサポートライダー 今村 圭孝選手 レースレポート~


2016年のアイアンマン・ジャパン北海道が開催中止となったことを受け、2016年6月12日(日)に開催の2016年アイアンマン ケアンズにて、日本人アスリート及び日本永住カード保有者限定のコナスロット(アイアンマン世界選手権出場枠)30枠が設定されたことで注目され、多くの日本人が参加したこのレース。
FUJIサポートライダーの今村 圭孝選手もその一人。目指すは10月のアイアンマン世界戦の出場枠獲得に向け、3月からのロング3戦目で疲れもある中、強い気持ちを持って見事、コナスロットを獲得されました。
レースレポートには体調の変化、不安な気持ちとの戦い、最後は目標を
達成するための意思の強さを感じ取れます。ぜひご一読ください。

【IRONMAN CAIRNS 2016 レースレポート】
開催日               2016 612日 (日)
場所                オーストラリア(ケアンズ)
距離                   Swim 3.8km / Bike 180km / Run42.2km
・TOTAL TIME         9:56:24 ⇒ リザルト一覧
・Age 35-39            DIV RANK 12 (日本人1位)
バイク                2015 FUJI NORCOM STRAIGHT 1.1 ⇒ 2016年モデルはこちら




Swim55:19
 スイムはウエーブでのスタートで先頭から20秒ほどでスタートすることができた。海はうねりがあり波も高くスタートしてからなかなか前に進んでいかなかったが、沖に出ると思った以上に泳ぎやすく感じた。
海岸線沿いを2周回のスイムコースで1周回目は自分のペースで泳ぐことができたが、2周回目は後からスタートした選手が多く、その間を縫うようにして泳いでいく。
最後のブイを左に回り海岸に向かっているとライフセーバーが指をさして何かを言っている。海岸に向かうところにもうひとつブイがあることが分かり、少しロスしてしまったが、そのブイを回りなんとかスイムアップ。




Bike5:26:32
バイクはスタートから雨が降りだし身体が冷えてしまうと思っていたが、その心配はいらなかった。スイム会場のパームコーブから海岸線をひたすら進み、ポートダグラスという町までの折り返しのコースで、若干のアップダウンがあるが比較的フラットなコース。途中、路面が悪いところがあり少し走りづらかった。
ポートダグラスの町を折り返し少し進むと、胃が痙攣をおこし始めた。ロング3戦目でさすがに疲労が出てきたのか、嘔吐もしてしまい、それからは補給のジェルも受け付けなくなってしまった。
それまでにパワージェル12個を入れたボトルの半分くらいは飲んでいたので、少しはカロリーを摂取できていた。そこからはドリンクだけでも飲まないと、と思い飲んでいたがなかなか力が入らず後ろからの選手に次々とパスされていく。
パームコーブを折り返してからは向かい風が強く、思うように前に進んでくれなかったが、しっかりペダルに体重を乗せることを意識しながらペダルを回す。パームコーブ手前で折り返し2周回目に入ると少し感覚も戻ってきたが、補給ができないためなかなか力が入らず、このままの状態で走れるか不安になる。
ポートダグラスの町までの海岸線のアップダウンも、向かい風が強い。路面も悪く、コースには振動で取れてしまったと思われるボトルゲージも落ちていた。
ポートダグラスを折り返し、またパームコーブまで戻ってきた。
ここからあと少し、と自分に言い聞かせながら乗っていたが、意外と距離があり気持ちが折れそうなったが、ケアンズ空港を過ぎ、ケアンズの町中に戻ってこられた。
 そこからは2kmくらいでトランジットがあり、観客も多くなってきた。バイクシューズを脱ぎ腰や足を延ばし、ランに備えバイクフィニッシュ。 

 


Run 3:27:37
ランに入るとすぐ横腹が痛くなり、歩いたり走ったりの繰り返し。バイクで補給ジェルが摂れなかったため、ドリンクを多めに飲んでしまったのが原因なのは明らかだった。
その後数キロはそんな状態だったが、前に同じカテゴリーの選手がいる。その選手よりも前でゴールしないとコナでの世界選手権の枠が取れないことが分かっていた。しかし、ウェーブスタートなので何分後ろからスタートしているのかが分からない。1周回目で4分差をつけられれば勝機があると思い、ペースを上げて走ることにした。
2周回目の折り返しでそのタイム差を計ると、8分以上ついている。このままいけば15分くらいに広げることができると確信した。
そこからは本当にきつかった。エイドで氷をもらいウエアの中に入れ、水で頭、首を冷やし、血糖値を上げるためにコーラを摂りとにかく前へ、前へ。IRONMANをやっている以上、コナでの世界選手権は何よりも価値があり、目標とすべき大会。そこで勝負したいという気持ちだけで、とにかく前へ進んだ。
最周回、38km地点を過ぎたところで身体が言うことを聞かなくなり、歩きだしてしまった。さすがにロング3戦目で疲労がピークにきていたのかもしれない。その時、後ろから一人の日本人選手が追い上げて来た。その選手の背中からはコナへの強い気持ちが伝わってきた。
よしっ!行こう、そう自分を奮い立たせ、その選手と走りだした。
ラスト2kmでペースを上げその選手を抜き去り、重くなった身体をフィニッシュラインまで運ぶことができた。
最後は本当に「コナへ行きたい」という強い気持ちだけだった。タイムこそ良くはなかったが、次に繋がる良いレースだったと思う。


応援して頂いた方や、サプライヤー様ほんとうにありがとうございました。コナではしっかりとレースできるように準備していきたいと思います。




 



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